堂々たる存在感、そしてセクシーさ。ここには120を超える、見るものを虜にする車たちが並んでいる。中には、実際に触れたり、一緒に写真を撮ったり出来る車もある。 「どの車を持って帰って手入れをしようか」と妄想してしまう人もいるのではないだろうか。これは、世の中の全ての男の夢でありロマンといっても過言ではないのだ!
名古屋市から少し離れた長久手市にトヨタ博物館はある。この博物館はトヨタ自動車だけでなく、様々な時代、国から集めた自動車、そして自動車の歴史や車が私たちの生活に与えた影響、文化といったことも学ぶことが出来る。また、1800年代後半の初期時代から現代の自動車技術まで漏らすことなくカバーしている。
現代的で大きく、かつての長久手の戦いの戦場図の様な楕円型のこの博物館は、1989年にオープンし、新館は10年後の1999年にオープンした。トヨタだけでなく、アメリカやヨーロッパ車やMercedez Benz、Ford、Mazda、Porshe、Subaru、Rolls Royce、De Sotoやいすゞの貴重なものまでが国も時代も超えて120車以上が集められている。 アメリカとヨーロッパ車は2階に展示されており、国産車は大きく3階に展示されている。楕円型のまるでレースサーキットを髣髴させる建物内を興奮を抑えられないほど素晴らしい車の数々に囲まれて歩く気分は最高である。 そして、どの車もとにかくかっこいい!大きさ、容量や外観の美しさは、自動車オタクでなくとも感激するのではないだろうか。
いくつかある目玉コレクションの一つとして、真っ赤な車体と内側が真っ白に縁取られたタイヤが特徴的なクラシック1955 フォードサンダーバードがある。他には、ルーズヴェルト大統領の愛用車で有名な12気筒が乗せられたパッカードトゥエルブもある。これは初めて防弾ガラスなどといった装甲車のような補強を施された車である。美しく輝きを放つ赤と上質な金色で装飾された1910ロールスロイス シルバーゴーストは、見る者を圧巻し、作られてから100年以上経つにも関わらず、たった今作られたかのような輝きを放っている。また、初期の1939年トヨダAA型乗用車、真っ白なボディが一際目を引く1965年のジャガーEタイプも展示されている。そして車好きには堪らない、バットマンに出てくるバットモバイルの様な羽を着けたピンクのキャデラック エルドラドビアリッツもあるのだ。
傷などが一切なく保存されているこれらの車は、98%は元々の状態のままである。 興奮しすぎて車鑑賞に疲れ、お宝の展示品の数々を前によだれを垂らし過ぎて喉が渇いたら、休憩タイムとしよう。1907年のイギリス製ローバー6HPが置かれている豪華なキッズガレージで子供を遊ばせている間に、隣のカフェテリアでしばし体を休めることができる。また、図書館は無料で利用することができ、9000を超える世界中の自動車関連の書籍や雑誌を自由に読むことが出来る。
そして、本館1階にあるミュージアムレストランでは、良心的な価格で目の間に広がる長久手戦場を眺めならご飯を頂ける。(長久手戦場博物館に関する情報はJapan Touristで検索)
レストランの近くには情報コーナーがあり、無料で図書館やミニチュアギャラリーの資料などを検索することが出来る。また、約40人を収容可能な小ホール、新館には20人から250人まで収容可能なメインホールもあり、予約すればグループイベントなどで無料で利用可能だ。また、ミュージアムショップには、500以上のミニチュアカーやオリジナルのお土産品を購入することが出来る。
建物の外には、芝生が広がっておりレクリレーションなどにも最適で、ドライビングコースもある。
トヨタ博物館は車好きの方ははもちろん、そうでない方や老若男女問わず十分楽しめるようになっている。普段何気なく使用している自動車の価値観がきっと変わるかもしれない。